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原寸大で鑑賞する伝説の日本刀・本文デザインで関わらせていただきました。

原寸大で鑑賞する伝説の日本刀 宝島社

本文デザインで制作に関わらせていただきました。
この本のコンセプトは、原寸大のリアリティと日本刀がもつ逸話&伝説推しであること。敢えてファンが多い刀剣乱舞に寄せない硬派な印象です。

とは言え天下五剣や上杉家御手選三十五腰など有名な刀剣は収録されているので、刀剣乱舞に寄せなくても十分楽しめる内容です。

刀剣については、ミーハーレベルの知識だったので、この本をデザインしながら、名前や逸話について知識を深めることができました。
数ある刀剣のなかで、私のお気に入りは下記の五振りでした!
1三日月宗近 なぜか豊臣秀吉の妻・ねねさまが所持したのち、徳川秀忠に譲ったとされる刀
2へし切長谷部 織田信長が無礼を働いた茶坊主を膳棚ごと圧し斬ったという刀で、後に黒田官兵衛の手に渡る
3雷切丸 大友家の無敗の武将・立花道雪の愛刀・雷神を斬り伏せたとされる逸話が残る
4岡田切 織田信雄が豊臣秀吉との内通を疑われた家臣・岡田助三郎重孝を斬った刀
5姫鶴一文字 上杉家御手選三十五腰の中でも山鳥毛一文字と並ぶ上杉謙信の愛刀。

 

シンプルデザインには罫線が役に立つ

肝心のデザインについてですが、トーン&マナーのリクエストが「シンプルな雰囲気で刀剣を映えさせる」でした。私の場合、シンプルなデザインを依頼されたとき、罫線を使うことが多いです。
罫線は単純に一本の線ですが、平面に描くと要素を「分ける」「つなぐ」「印象をシャープにする」などさまざまな視覚効果があります。
この本文フォーマットデザインでも罫線をバランスよく取り入れて、タイトルが主役の刀身に寄り添うよう設計しています。日本刀の本でなので、さりげない緊張感を演出するように意識してデザインしました。

 

刀鍛冶・石田四郎国壽の話に興味津々

デザイン制作にあたり、刀剣に対する好奇心と知識を深めるために刀鍛冶・石田四郎国壽さんのインタビューに同行しました。
刀を打つ現場で、原材料である「玉鋼」について実物を交えながら話を聞いたり、実際「玉鋼」に火を通して、火花を散らしながら打つシーンなど見る・聞く・触るなど感覚的なことを体験でき、最初の行程からある程度の塊になるまでの間に流れる独特の緊張感を味わえました。

石田さんは「三日月宗近 生ぶ復元プロジェクト」に参加され、復元に尽力されているのですが、その観察力と試行錯誤を重ねる忍耐力は凄まじい信念を感じました。大作を制作しながらも自分のオリジナリティも生かす姿勢と、「自分の次の作品が最高傑作になる。そう思って挑戦を続ける」という言葉には、同じクリエイターとして大変刺激を受けた次第です。

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